2013年2月2日土曜日

"オールドスクール"への執着:Painkiller Hell&Damnationレビュー

画像なし。

----------ゲームの概要----------

・Painkiller Hell&Damnetion(以下PainkillerH&D)とは
過去に名作と名を馳せたFPS作品「Painkiller」のリメイク作品。
ここで重要なのは「続編」ではなく「リメイク」な点。
本作は旧Painkillerを新エンジンで作り直し、
ストーリー等に修正(ストーリーは旧作とはまったく違う)を加えたもの。
オールドスクールなFPSを売りにしている作品。





----------批評----------
「酷い」の一言に尽きるゲーム。
確かに新しいUnreal Engineで作られた本作は
グラフィックも向上し、敵の吹き飛ぶ物理演算もしっかりとしている。
しかしそれを掻き消すほどに酷い点が多すぎた。箇条書きで説明する。

散々なローカライズ
まず起用されている声優が素人かと思うほどに棒読みな人間しか居ない
主人公は詩の朗読でもしているような声で
死神に至っては架空請求業者のような声になっている。
しかも台本がほぼ直訳だったのか日本語が些かおかしい部分がある。
更には読み上げる速度を合わせていないのか
片方が喋っている途中でもう一人が割り込んで話し始める場面や、
映像では口が動いているのに何も喋っていない場面が多い(死神の声優が早口なのも問題)

オールドスクールに拘る必要性
今作は製作者も「オールドスクールFPSになる」
と制作開始時に発表しているほどオールドスクールに拘っているらしい。
だがその「オールドスクール」たる部分も
リロードがない」「エイミングが無い
アリーナステージのみで構成」....
今となっては「古き良き」ではなく「ただただ古臭い面倒な」システムになってしまっていた。

まず「リロードがない」「エイミングが無い」という部分だが、
これは元より爽快感やスピード感を重視するならば必要のない機能だ。
しかしPainkillerH&Dには爽快感は疎かスピード感も無い
ショットガンは複数の敵を倒すには役不足であり
丸ノコ射出機も中盤からは一体に数発必要になってくる始末である。
スピード感はバニーホップ等をすれば速度は上がるが
MAPが狭い部分が多く走り回るのは難しい。
ひたすらにもっさりした銃でもっさり戦うしかないのだ。

そして「アリーナステージのみで構成」という部分
これは少し進んだら閉じ込められて敵を倒し切るまで次には進めないという代物
古いFPSではそれほどオープンなMAPを作れなかったりと技術的な問題からもアリーナステージ
は多かった。だが現状のゲームでアリーナステージを多用する必要があるのかは疑問だ。
技術的にもアリーナでないといけない必要性はないだろう。
だがそんな環境の中で何故
閉じ込められた部屋の中で端っこに残っている敵も残さず倒して進む
スタイルを取る必要性があったのか。

AIの完成度の悪さとボス戦の単調さ
このゲームのAIは最近のゲームの中でもかなり完成度は低い。
することは歩いてきて殴りかかるぐらいなのだが
敵がよくオブジェクトに引っかかりスタックする。ただスタックするだけならまだしも
アリーナステージなので
端っこでスタックしてこっちに来れない敵を探しまわる」必要性が出てしまう。

ボス戦も酷い出来だ。
雑魚が湧いたりする比較的広いステージを走り回りながら
威力が高めの銃を打ち続けるだけなのである。
ボスのAIも雑魚同様出来が悪く、
筆者が戦った2ステージのボスが「5分ほど端っこをうろうろしているだけ」だった。

ステージの撤去
本作は旧作と旧作拡張版のステージをいくつか割愛してある。
旧作で好きだったMAPがいくつも消えていることを確認して更にやる気が削がれてしまった。


----------総評----------
本作を誰かにオススメは出来ない。
素人集団による爆笑ローカライズを楽しむ以外に用途が無いからだ。
本作をプレイするぐらいなら旧作をそのままプレイする事をオススメする。
長く駄作続きだったPainkillerフランチャイズに光が刺すかと思ったが実際そんなことはなかった。

オールドスクールなゲームがやりたければ、
オールドスクールであり、尚且つ今の流れに合わせたシステム修正を行ったゲームである
Serious Sam3:BFEを強くオススメする。
必要があればBFEのレビューも書く予定。

PainkillerH&D販売ページ:Steam(19.99ドル)
http://store.steampowered.com/app/214870/

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